社会人になる前に知りたかった社会の仕組み
本記事では、人生において本当にケアすべきリスクとそうではないリスクをまず考える。 そしてそうではないリスクに対して、いかに国が対応しているかを見ていく。
個人的には、国が用意している社会制度ついて、案外知らなかった。社会人になる前に知りたかったので、本記事を「社会人になる前に知りたかった社会の仕組み」というタイトルにした。
参考文献にも書いているが、この記事は両学長の「本当の自由を手に入れるお金の大学」という本を参考にしている。
ためになるので、読むことをお勧めする。
気にするべきリスク
世の中リスクに溢れている。それら全てに対応していたら時間もお金も足りないだろう。
大事なのは低確率で大損失なものに備えるという考え方を持つこと。
具体的には以下の事象に備えることが大切。
- 火災
- 死亡(家族がいる場合)
- 自動車事故(自動車を持つ場合)
逆にいうと、これらは自分で備える必要はないということだ。(もちろん個人の志向や状況に依存するが、多くの人が準備不要)
- 病気・怪我のリスク
- 歩けなくなるなどの障害リスク
- 死亡リスク
- 失業リスク
- 老後リスク
- 介護リスク
- 出産費用のリスク
では実際にどういったケアを社会が準備しているのか。
知っておくべき社会制度
今から紹介する社会制度は時間の流れで制度が変更される可能性がある。そのため、盲目的に信じるのではなく自らで知識を吸収する姿勢が大事だ。
公的医療保険
日本では、会社員/公務員は健康保険、自営業者/フリーランスは国民健康保険、高齢者は後期高齢者医療制度、というふうに国民全員が健康保険に加入している。保険により、自己負担30%で最低限の医療を受けることができる。
さらに高額療養費制度という制度により、同じ月にかかった医療費が自己負担限度額を超えた場合超過分が後で払い戻される。自己負担負担額は年収と年齢によって決まるので、詳しく知りたい場合は厚生労働省のページを参照しよう。
すなわち上限が設定されているので、高額な医療費になった際の自己負担も比例して増加するというのは間違いである。
また、傷病手当金により病気や怪我で働けなくなった際には、生活を保証するために直近月収の2/3が最長1年六ヶ月補償される。
公的医療保険により、病気・怪我のリスクに対して個人で特に対応する必要がない。
障害年金
障害年金とは、病気や怪我によって生活や仕事が不自由になった場合に支給される年金である。もちろん現役世代も受給することができる。条件は少し複雑なので、ここでは割愛する。しかし、ちゃんと国民年金に加入し、加入期間の2/3以上保険料を納めている人が、1年6ヶ月以上経っても働けない場合に受給できると考えて良い。
受給額は障害の級、会社員かどうか、配偶者・子供の有無によって変わるので、詳しく知りたい場合は、日本年金機構の障害年金のページをチェックしよう。
遺族年金
家族がいる場合は、自分が死んだときのために遺族年金を使おう。養っている家族がいるのであれば、最低限の金額が支給される。
詳しくは日本年金機構の遺族年金のページを確認しよう。
雇用保険
失業してしまった場合には失業給付を使うと良い。働く意志と能力があるのにも関わらず職業につけず、かつ原則として被保険者機関が通算で12ヶ月以上ある際に使える。
失業給付の給付金計算サイトが存在するのでいざとなった時は計算するとよい。 https://keisan.casio.jp/exec/system/1426729546
さらに就業手当、再就職手当、教育訓練給付金、育児介護休業給付金といった、雇用に関する手当はたくさんある。
厚生年金・国民年金
厚生年金と国民年金という2つの年金で年金制度は運用されている。自営業やフリーランスは国民年金のみで、会社員は厚生年金も支払う必要がある。
また、厚生年金は勤続年数✖︎平均年収✖︎0.005481、国民年金は年額約78万円、受給することができる。
もらえる金額を見ると、払い損になるかどうかが気になるだろう。
しかし、基本的に払い損にならない試算がでていて、詳しくはググるといいが下記ページが参考になる。 https://news.yahoo.co.jp/articles/37440c699bb2c29146a63085908ee6d320a49177
どうやら利率は高く、65から10年以上生きると元が取れるそうだ。(厚生年金の方がたくさん受給できるがほとんど結果は同じ)
とはいえもらえる金額を試算したのち、贅沢したい場合は個人でなんとかするしかない。
介護保険制度
要介護状態になった場合の方策がある。介護保険制度だ。
介護保険制度は40歳以上から保険料を納めることで、将来要介護で介護サービスを利用した際に自己負担が原則1割で済む保険である。保険料自体は大体5000円くらいらしい。
出産に関する制度
出産育児一時金という制度が存在する。これは、出産時に40~42万の出産育児一時金が支給されるという国民保険の中の制度である。なので出産にかかるのは50万くらいといわれているが、実質10万円くらいでなんとかなる。
加えて、出産手当金と育児休業給付という制度が存在する。これは一時的な収入減に対応するもので、詳しい期間の条件が存在するので詳しくは下記リンクから参照してほしい。
まとめ
上記でチェックしておくべき社会制度を見てきた。もちろん個人で保険で対応することは悪いことではないと思う。しかし、時間とお金、労力は有限なリソースであるため、最小限の部分に個人で対応した方が賢いと言えるだろう。
個人の意見としては、病気や怪我は可能性自体はとても低いのでそこに日常からケアするよりも、自己投資などして稼ぐ力を上げる方に注力した方が、若いうちは効率がいいのではないだろうか。もしくは定期的に運動したり、食べるものに気を使うなどして長期的な健康を考える方が本質的な対策だと思う。
参考文献
介護保険料はいくらぐらい? 保険料はどのようにして決まるの?
出産で会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会